
繊維又は繊維製品を加害する虫には、二つの種類があります。
繊維そのものを栄養源とする虫
ヒメカツオブシムシやヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガ等
衣類を加害するのは、いずれも幼虫です。
これらの虫は、羊毛や羽毛などに含まれるケラチンたんぱくや、繭糸に含まれるセリシンたんぱく
を消化して栄養にしています。
しかし、綿や絹、合成繊維でも、汗や尿が付着していればタ−ゲットになります。
これらの幼虫を肉眼で見る事は可能ですが、孵化直後の幼虫は、コイガで1/98mmという驚くべき
狭い隙間を通過できるので、防除面からみると、大変厄介といえるでしょう。
ヒメマルカツオブシムシの成虫は、5〜6月頃に咲くマ−ガレット、デイジ−、ツツジ、シャクヤク、ケ
シなどの白色系の花に集まり蜜を吸います。
ところが、この成虫は花だけに集まるのではなく、屋外に干してある洗濯物や布団、時には歩いて
いる人の白い衣服に飛んできてついている事があります。
食べこぼし等を食べる虫
繊維そのものでは生育不能ですが、衣類についた食べこぼしなどの糖分、脂肪分などを摂取する
ついでに、繊維も加害します。
コオロギやゴキブリ、シロアリ等です。
| ヒメカツオブシムシ | ヒメマルカツオブシムシ | イガ | コイガ | |
| 卵の形状 | 楕円形 乳白色 0.7mm |
楕円形 乳白色 0.6mm |
楕円形 乳白色 0.5mm |
楕円形 乳白色 0.5mm |
| 幼虫の形状 | 円筒形 赤褐色 7〜10mm |
細長いダルマ型 灰褐色 4〜5mm |
筒型(ケ−ス)の巣 淡灰黄白色 5〜6mm (ケ−ス7〜9mm) |
平たい膜状の巣 淡灰黄白色 6〜7mm |
| 幼虫の出現期 | 6月上旬〜7月上旬 | 5月上旬〜7月上旬 | @.5月中旬 A.7月中旬・下旬 |
@5月中旬 A6月中旬〜7月上旬 B8月中旬 |
| 幼虫の期間 | 約300日 | 約300日 | 25℃、42日 (38〜51日) |
25℃、32日 (28〜41日) |
| 幼虫の食性 | 動、植物性の両方を 食べるが、植物性のみ では生育できない |
動、植物性のいずれの 食品も摂取し、生育 できる。 |
動、植物性の両方を 食べるが、植物性のみ では生育できない |
動、植物性のいずれの 食品も摂取し、生育 できる。 |
| 幼虫の摂食状況 | 繊維を噛み切り、穴 をあけて摂取 |
繊維を噛み切り、穴 をあけて摂取 |
繊維を噛み切って綴り 合わせた筒状の巣を 作る。同時に、摂取する |
繊維の上に吐糸で固定 した筒状の巣を作り、 この中で摂取 |
| 蛹の形状 | 紡錘形 淡黄色 5〜6mm |
純紡錘形 淡黄色 3〜4mm |
細長い 光沢のある淡黄灰色 4〜5mm |
細長い 光沢のある淡橙黄灰色 5〜6mm |
| 蛹の期間 | 10〜20日 | 20〜30日 | 8日 | 9日 |
| 成虫の形状 | 紡錘形 黒色 4〜5mm |
純紡錘形 灰黄色 2〜3mm |
淡灰褐色 (一部、灰褐色の斑点) 5mm |
茶褐色(キラキラしている) 5mm |
| 成虫の出現期 | 5月下旬〜7月上旬 (最盛期・6月上旬) |
5月中旬〜6月中旬 (最盛期・5月中・下旬) |
@5月中旬 A7月中・下旬 |
@5月中旬 A6月中旬〜7月上旬 B8月中旬 |
| 1雌産卵数 | 50(20〜70) | 47(22〜63) | 40(8〜83) | 85(80〜100) |
| 産卵時期 | 6月上旬〜7月上旬 (最盛期・6月上・中旬) |
5月中旬〜6月下旬 (最盛期・5月中・下旬) |
@5月中旬 A7月中・下旬 |
@5月中旬 A6月中旬〜7月上旬 B8月中旬 |
| 産卵の習性 | 暗所で産卵の後、 屋外へ |
暗所で産卵の後、 屋外へ |
暗所を好み産卵 | 暗所を好み産卵 |
| 年間世代数 | 1回 | 1回 | 2回 | 3階 |
| T世代期間 | 1年 | 1年 | 第1回 70日 第2回 300日 |
第1回 44日 第2回 44日 第3回 250日 |